前にも書いたけれど、まだ年が明けていないうちに貼られている「謹賀新年」の紙を見るのが結構すきだ。ああもう年末なんだなあという気持ちと、少し楽しみな気持ちとが湧きあがってくる。色々なことがあって(ほとんど親戚に追い出されるようにして)祖父母の家を出た。今年の年末年始は数年ぶりに実家で過ごした。懐かしい石油ストーブのにおいと、少し気だるい雰囲気のなかで。
いつかは祖父母の家を出なくてはと思っていたので、親戚から出て行けと怒られたのはいい機会だった。いくつかの植物の鉢植えと、亀と、わたしの猫たちを連れて家を出た。何ヶ月か経ってから片付けのために訪れた祖父母の家はすっかり「空き家」のにおいがして、底から冷えていた。かつて祖父が寝転がっていた場所にも、祖母がいた椅子にも、もちろん仏壇にも何の気配もなかった。仏壇の前で「ごめんなさい」という言葉が出た。どうしてそう言ったのかは今でもわからない。ただ、わたしにもう少しお金とか、何かがあればこんな結果にはならなかったかもと今でも時々考える。
大晦日の勤務中にお腹の調子を悪くしていたのだけれど、お正月に目を覚ましたら少し発熱していた。疲れるとすぐに体調が悪くなってしまう。これからもっと忙しくなるというのに。でも今日は諦めてずっと眠っていた。猫が腰とか背中に乗ってきてとても重かったけれど、かれらは信じられないくらいあたたかい体をしているから、くっついているととろとろと眠くなってきて、ずっと眠ってしまう。猫たちも「おまえは今日はずっと寝てて良いね」みたいな顔をしていた。かわいい。
祖父母の家を出ることが決まったあたりから、自分でも驚くほどに自分の持ち物を処分し続けている。身軽になりたい。でも持ち物って不思議なもので、処分しても処分してもまたすぐに増える。目を離したすきに増えるくらいの勢いで。今年もどんどん削っていきたいなと思う。それと、今年はもう少し小説をアップしていこうと思います。一日ひとつ文章を書く修行のようなものは、今日で356話になりました。ストックがこれだけあるので、少し手直ししたらアップしていけたらと思います。今年もどうぞよろしくお願い致します。