スマホに貼る保護シートの内側に猫の毛が入ってしまって、スマホを触るたびになんとなくそれを触ってしまう。毛の持ち主はずいぶん老いたけど、今日もわたしの足元に寝そべっている。いつまでこうして一緒にいてくれるだろう。
最近、同僚から借りた本ばかり読んでいる。『優等生は探偵に向かない』に始まる三部作と前日譚は割と一息に読んだので、ああピップがこんなことになるなんて……と悲しいような寂しいような気持ちと、その心地悪さを楽しむことが出来た。普段ミステリは読まないのだけれど、探偵であるピップの思考や感情を彼女にぴったりと重なって読み進めていくことは大変楽しかった。だからこそ三部作の三作目の彼女の行動に、今まで重なることが出来ていた自分が引き剥がされたようで悲しかったのだ。
また、同僚が『挑発する少女小説』を貸してくれたので今はこちらを読み進めている。思えば「少女」であった頃はなんとなく少女小説を毛嫌いしていた。江戸川乱歩ばかり読んでいて司書の先生に心配される少女だった。人が死ぬ話が本当に好きだったのだ。今でも好きだ。
実際、少女小説と呼ばれるもののお約束ごとには目から鱗が落ちるようだった。孤独で、自分の世界にこもってばかりいたわたしに必要なものはこれだったのではないかと思うくらいに。わたしはいつでも社会から求められる「少女」ではいたくなかったのだから。むしろ今の自分にこそ必要なものなのかもしれない。
読書って不思議なもので、何気なく選んだ(もしくは誰かからおすすめされた)本から今自分に必要としているものがふっと得られることがある。それは本の持つ不思議な力ではなくて、まあ時々不思議な縁のようなものもあるけれど、培ってきた感性が求めるものをしっかり見つけて受け取ることができるということだと思うけれど。
『若草物語』を読んでみようかなと思いながら、ひとまずは『挑発する少女小説』を読み進めていこうと思います。
最近ものすごく疲れているからか、ストレス性の蕁麻疹が出てしまっている。夜になると手足がものすごく痒くなって、朝起きると掻きこわして血が出たりしている。ほんといやになります。
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