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からあげはあたため直さなくていいよ(ふにゃふにゃになるから)

アルツハイマー型認知症の祖母の介護を終えて、一人暮らしをはじめた人の日記

亀のたまご

亀の水槽が油っぽくなっていることに気がついたけれど、電車の時間が迫っていたので餌だけやって家を出た。夕方、亀の水槽から今まで嗅いだことのないにおいがして、急いで水を換える。二匹の亀を別の水槽に移して、水を抜く。白い欠片がいくつも流れ出してきた。手に取ると妙にやわらかい。たまごだとわかった途端、なぜだか急に触れなくなってしまった。なんとなくどちらもオスだと思っていたので、どちらかが、あるいはどちらもメスなのかと思うと妙に気まずい。たまごはひとつ残らず割れていた。亀はいつもと変わらずにえさを寄越せと騒いでいる。

家でひとりとねこ二匹と亀二匹とで暮らしていると、なかなかつらいことも多い。節約しなければならないし、家の手入れもそこそこ大変だ。一軒家にひとりでいると言葉を忘れてしまいそうになる。ねことはよくわからないニュアンスの音声でやりとりしているし、仕事以外では誰かと会うこともほとんどないので。毎日死にたいと思いながら、死ぬことを延期している。それを続けるだけ。一日ひとつ文章を書いて題名をつけるという趣味のような修行のようなものは今も続いていて、この間、200作をこえた。文章を書くことはただただ楽しい。

将来というか、これから先のことを考えると死にたいという気持ちが加速する。ひとりでいることの寂しさより、ひとりでいられる気楽さがまさる。最近、わたしは誰のことも恋愛という意味で好きにはならないんだろうなと気がついた。自分の抱く「好き」という感情は恋愛のそれとは違うんだと気がついたというか。それから、他人に触られることをとてもいやだと感じてしまうことも。だからひとりで静かに暮らすことはある部分ではとても楽だし、穏やかにいられる。

わたしの仕事はとても給料が安くて、だけどとても好きな仕事だ。でも、それを一生の仕事には出来ないだろうと言われる。そうしたいなら結婚するべきではないかとも。何度もそういう話をしてきて、この社会の(世界の、ではないと信じたい)どこにもいられない気がしてくる。

亀は自分のたまごがどうなろうと何も関係ないという顔をして、いつも通りえさを食べている。わたしは過去に自分に起きたことについてずっと考え続けている。死にたいと思っているのに、ねこにえさをやり、自分にもえさをやる。仕事をして少ないお金を稼いで、明日や明後日、来週、来月も生活を続けようとしている。少なくとも、ねこや亀が死ぬまでは生きていなくちゃと思ってしまう。しかし亀が万年生きたら、わたしはどうしたらいいんだろうな。
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