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からあげはあたため直さなくていいよ(ふにゃふにゃになるから)

アルツハイマー型認知症の祖母の介護を終えて、一人暮らしをはじめた人の日記

自分の気持ちを見つける


朝。とてつもなくつらくなってしまって、クロスバイクで海まで行った。途中でサンドイッチと飲みものを買って、長い坂道をこえたら海が見える。海が見えた瞬間に、もうこころが軽くなるのがわかる。



海には誰もいなかった。台風が来るのは夕方くらいだろうか。それにしたって風が強くて、サンドイッチは砂でジャリジャリになってしまった。風をよけながら、ライターを宥めすかすようにしてたばこに火をつけた(あんな風の中でたばこに火がつくなんて奇跡のよう)。煙は流れる間もなく、風で粉々に砕かれる。後ろ頭にも容赦なく砂が叩きつけられていく。海の上を風が走っていくのを眺めながら、追い立てられるようにたばこを吸った。





夜。「お前があれこれするから、私がボケるんだ」という祖母の言葉を聞いたとき、うまく受け止めきれなくて、自分の気持ちが「悲しい」のか「むなしい」のかはたまた「怒り」なのかさえわからなくなった。



海でぼんやりしたあと、家中掃除をして、洗濯をして、買い出しをし、お弁当のおかずと晩ごはんを作った。祖母がデイケアに行っている間にこのような雑事をこなす必要がある。なぜなら、祖母の前でこういう家事をすると、彼女をいやな気持ちにさせてしまうからだ。祖母の立場を想像してみれば、その気持ちもわかる。



そもそも祖母は家事をきっちりこなすタイプで、そういうことを苦とは感じない人だった。いまは認知症もあって、なかなか掃除をすることができない。彼女にしたら、自分の前でせっせと孫が家事をするのは、責められているような気がするのだと思う。実際、そんなことも言っていたことがある。





だけど、わたしはそんなつもりは一切ない。そのことをうまく伝えられないのももどかしい。祖母はわたしに言葉をぶつけた後、当てつけのように色々な家事をしはじめた。わたしはそのときの気持ちを、ツイッターに書いて投稿した。投稿して数分で後悔した。あんなことを投稿するべきじゃなかった。





数分後、思いもよらない反応が返ってきていて、フォロワさんの言葉を何度も読み直して、わたしはやっと自分の「感情」を見つけた。





認知症の人には「とにかく怒ってはいけない」といろんな本に書いてある。何度も書いているけれど、そんなことは無理だ。机上の空論だと言い切ってしまいたいくらい、つらい。でもわたしは祖母に対して怒ってしまう自分がいつも許せなくて、自分が「怒り」の感情を持つことさえ許せなくなっていた。




なんでそんなこと言うのーって、少し前のわたしなら祖母に言えたのだと思う。今は、自分で自分のことを縛り上げていて、そんな一言さえ言えなくなっていた。生きている人間同士なのだから、「そんな風に言わないでよ」って言ったっていいはずなのだ。自分の感情を押し殺して押し殺して押し殺して、そんなことをして、一体何になるんだろう?





ツイッターに投稿したのはやっぱりちょっと恥ずかしかったかなと思うけれども、おかげで少し、肩の荷を降ろせたような気がします。反応くださった方々、本当にありがとうございました。




拍手下さった方も、ありがとうございました。
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