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食べものを粗末にする話です。
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はじめに書いておくと、わたしは滅多なことでは食事を残したりしない。好き嫌いも特にない(白い食べものが苦手だけれど、食べられないということはない)。けれど、夜毎に祖母の作ったよくわからないものたちを捨てている。祖母の炊いたごはんを食べることが出来なくなってどのくらい経つだろう。家でごはんを食べなくなってから、結構痩せた。良いか悪いかは別として。「お弁当用」と付箋を貼って袋に入れてしまっておいた菜っ葉類も、ぐちゃぐちゃに切られて、茹でられてぺちゃんこになっていた。それを祖母に指摘したりはしない。祖母はもう、料理をしたことも忘れている。祖母が寝た夜中に、それらの食材を捨てる。誰にも食べられないものたちを、音を立てないようにして捨てている。罪悪感がまっくろな色になって心を塗りつぶしていく。そんな風に思うなら食べたらいい、そうしたらなにもかも解決する。でもそれが出来ない。
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祖母は料理が上手だった。けれどそれは過去の話で、祖母は「病気」によって料理や、料理の周辺にあるもの(買い物や賞味期限を把握することなど)を処理することが難しくなってしまった。時々、祖母が味噌おにぎりを作ってくれる。食べたくない。そう思ってしまう。昔、祖母が作ってくれたそれを思い出す。泣きそうになる。ありがとうと言ってわたしはそれを口にする。よくわからない味がして、急いで飲み下した。祖母を悲しませたくない。祖母の気持ちを無下になんてしたくない。ごはんを捨てるなんてことは、本当はしたくない。
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そして今日も、明日も、そのさきも、わたしは祖母のお弁当を作る。
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